「ストレンジャー・シングス未知の世界」の魅力

ひとつ前の記事でStranger Things（ストレンジャー・シングス未知の世界）のあらすじや概要をご紹介しましたが、今回はその魅力や人気の凄さについて紹介します。

前回の記事はこちら

知名度の低いキャスト達で始まった低予算ドラマだった

まだオリジナル作品が少なかったNetflixが、日本や世界に向けてグローバルに展開を始めたタイミングで配信がスタートしたストレンジャー・シングス。
当時のネットフリックスでは女性刑務所を舞台としたOrange Is the New Black（オレンジ・イズ・ニュー・ブラック）が人気を博していましたが、まだまだ加入者は多くありませんでした。

今ではストリーミングサービスといえばネットフリックスというイメージが定着しましたが、全世界の視聴時間から見ても間違いなくストレンジャーシングスは加入者の獲得に最も貢献している作品と言えます。

キャスティングの面でも、当時知名度があるのはジョイス・バイヤーズ役のウィノナ・ライダーのみでした。しかも当時のウィノナといえば様々なスキャンダルによりほとんど業界から干されているような時期。
俳優達だけではなく制作総指揮を務めるストレンジャーシングスの生みの親、ダファー兄弟もまだまだ無名の時期で、ドラマは低予算での製作開始となりました。
現在の人気を見るとここまでの大ヒットはネットフリックスにとっては嬉しい大誤算だったかもしれません。

80年代アメリカのノスタルジー

Embed from Getty Images

^{Stranger Thingsの生みの親、双子のロス・ダファーとマット・ダファー}

ストレンジャーシングスの魅力は沢山ありますが、80年代のアメリカという世界観は間違いなくシリーズを通してファンを虜にしているポイントです。

ダファー兄弟が影響を受けた80年代の映画などのオマージュは親世代もわくわくする演出でありノスタルジーさを感じますし、キャラクターのファッションはグッズ展開をすればすぐにソールドアウトしてしまうほど現代でも可愛いポップさがあります。
また、携帯電話やスマートフォンがない時代に仲間と連絡を取ることすら四苦八苦するシーンはストーリーを盛り上げる要素にもなっています。

もちろん劇中に使用される挿入歌も当時の曲ばかりです。
緊迫したシチュエーションでも色褪せない80年代の名曲をストーリーの重要な要素として取り入れ、幾つものアイコニックな名シーンを生み出しています。
シーズン4で使用されたケイト・ブッシュのRunning Up That Hillは1985年にリリースされた曲ですが、配信後にYouTubeでのMV再生数は２億回近くにまで急増。
さらには37年もの時を経て自身初の全米シングルチャートのトップ10入りを果たすほどのリバイバルヒットとなりました。

キャラクターの魅力と俳優達の演技力

Embed from Getty Images

「知名度の高くない俳優達で始まったドラマ」と紹介しましたが、ストレンジャーシングスのキャスティングは本当に素晴らしいです。

物語の中心の子供達はオタクで学校では笑いものにされていますが、このドラマに出てくる負け組は子供達だけではありません。ウィノナ・ライダーが演じるジョイスも離婚を経験し２人の子供を育てるシングルマザーであり、ジョイスと共にホーキンスの秘密を追う警察署長のホッパーもまた辛い過去を持ち自暴自棄な生活をしています。学校の人気者スティーブ・ハリントンやホーキンスで１番の色男ビリーですら悩みを抱えています。

このドラマがシーズンを通して一貫しているのは「はみ出し者たちへの賛歌」だと制作総指揮のショーン・レヴィは言います。このドラマの主要キャラクターたちはそれぞれが悩みを持ち葛藤しながら、人間くさく生きています。

その姿に思わず愛着や親近感を感じるのは、脚本はもちろんですが間違いなく俳優達の演技力のおかげでもあります。これはストーリーにも大きく影響していて、脚本・監督・制作を務めるダファー兄弟は、俳優達の演技を見てアイディアが浮かんだり、積極的に意見を聞いて脚本やストーリーを現場で変えることが多いそうです。

赤字のネットフリックスを救い、増していくスケール

Embed from Getty Images

配信開始後から話題になったドラマですが、その人気はシーズンを追うごとに増しています。
数多くの賞や記録を獲得し、最新シーズンであるシーズン4は配信開始後わずか3日間で全世界視聴時間の合計が約3億時間以上という桁外れの数字を出しました。
利用料金の増加などにより初めて赤字を出したネットフリックスもストレンジャーシングスの新シーズンが開始されるタイミングで、また多くの利用者を獲得しました。

低予算で始まったドラマですが、シーズンを追うごとに人気と共にスケールは大きくなり今ではネットフリックスが一番予算を割いている看板番組となっています。

今後もストレンジャーシングスにまつわる記事や最新情報をお伝えしていきます。